xp祭り2018
昨日(2018.9.8)、xp祭り2018に参加しました。
ここで、昨日1日を振り返って見たいと思います。
1.基調講演
基調講演は、テスト駆動開発の和田卓人(@t_wada)さんです。
「テスト駆動開発の過去・現在・未来」というテーマで、TDDの歴史、今の立ち位置、これからの在り方について、お話されました。
・TDDは、ただ事前にテストコードを書けば、よいというものではない。
・リファクタリングが必要!
・たとえて言えば、「体重計を買ったからといって、体重が減るわけではない。」ということ。
という言葉が、ボクの中では、インパクトがありました。
t_wada さんが翻訳した「テスト駆動開発」、写経してみます。
2.心にしみた、2つのワード
今回のxp祭りで参加した講演で、心にしみた2つのワードがありました。
それは、「場」と「見える化」です。
「見える化」
アジャイル開発では、意識して言われることですが、工程やタスクをハッキリと表だしにすることは、大切です。
これは、脳内にたまっている「やるべきこと」をすべて、表に出して、タスクを達成することに専念するためです。
ボクも、最近仕事では、タスクボードを使って仕事の段取りを整理しています。
今回のLTの中で、「引継にDelegation Board(ディレゲーションボード)を活用する。」という発表があったのが、印象的でした。
Delegation Board(ディレゲーションボード)、勉強します。
見える化は、アジャイル開発の重要なファクターであることを改めて、認識しました。
手前味噌ですが、今回のxp祭り2018では、「友よ!これが日本のSIerだ」というタイトルで15分ほど、お話させていただきました。
XP祭り2018:友よ!これが日本のSIerだ(たかくしゅういちさん)
この中で、ぼくは、「ウォーターフォールでもカイゼンを!」という話をしました。
カイゼンは、アジャイルの範疇だと考えるのは、もったいないです。ウォーターフォールのプロセスでも積極的にカイゼンするべきというのが、ボクのコンセプトです。
ボクの話について、@sobarecord さんから、こんな感想をいただきました。ありがとうございます。
15時に講演のあった、たかくさんのお話メモ。
— 渡部そば (@sobarecord) September 8, 2018
「ウォーターフォールにもカイゼンを!」というメッセージがとても良かった。#xpjug pic.twitter.com/WIyB9riKZq
「場」
もう1つのワードは、「場」です。今回、聴かせていただいた講演・参加したワークショップで「場」をテーマにしたものが、2つありました。
XP祭り2018:機能横断的なチームを作る”場”のデザイン(飯田意己さん)
XP祭り2018:“ふりかえり” をふりかえろう~意見が活発に出るよい”場”とは何だろう~(森一樹さん)
2つのコンテンツに共通して言えることは、
・場をよくするために、必要なのは、「信頼関係」であるということです。
・信頼関係を構築するには、意識してアクションすることが大切です。
たと思っています。
ちなみに、飯田さんの講演資料です。
xp祭り、今年もたくさんの刺激をもらえました。
ありがとうございます。
もう1つ、手前味噌。
講演したおかげで、献本をいただきました。ありがとうございます。
献本、いただきました。
— たかく@🍜fan&カイゼンジャーニーfan (@half_moon0419) September 8, 2018
ありがとうございます❗#xpjug pic.twitter.com/0XgRp8jkng
BPStudy#130 カイゼンジャーニー〜たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
こんにちは。たかくです。
今日は、株式会社ビープラウドさんがコーディネートしているセミナー、「BPStudy」に参加してきました。
今回のお題は、『BPStudy#130 カイゼンジャーニー〜たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで』
そうです!カイゼンジャーニーです。市谷さん&新井さんが登壇されました。
では、お二人からいただいた、エモい話を紹介します!
・新井さん
ヴァル研に入社する前に、メーカーの情シス部門や開発支援ツールのベンダーに在籍されていました。
ぼっちだった状態から、少しずつ信頼できる仲間を増やして、ご自分もパワーアップしてきました。
スタンスは、奇をてらわずに、とても地道でした。
でも、静かなパッションを感じました。
いいチームを作るのには、時間がかかっても、真っ直ぐに進むことが、大切だということが、お話を聴いていて、強く考えさせられました。
マイクロソフト(アメリカの)の事例もありますが、ヴァル研さんでは、チームのメンバーをヘルプすることも、評価の基準になっているというお話に斬新さを感じました。
・市谷さん
常に、より良い環境を求めて、進むことが大切であるとお話を聴いていて、感じました。
やはり、新井さんと同様に、ぼっちだったことも、あったそうです。
にこやかに話されていましたが、市谷さんにも静かなパッションを感じました。
・まとめ
今、仕事で悩んでる方、チームビルディングが上手くいっていない方、一度、「カイゼンジャーニー」を読んでみませんか!
きっと、何かを感じるでしょう!
では、参考リンク
①セミナーでのTweetまとめ
まとめた人⇒たかく (^0^)
②カイゼンジャーニーオフィシャルサイト
カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
- 作者: 市谷聡啓,新井剛
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2018/02/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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そして、お知らせです!
来る、7月28日(土)に高円寺のヴァル研さんで、「カイゼン・ジャーニー・カンファレンス」が開催されます。
ただいま、スピーカー、絶賛募集中!
一般聴講者は、もう少し、待ちましょう!
では、「エナジャイズ」、大事にしようぜ!!
とちぎテストの会議05:参加リポート
こんにちは。たかくです。
久しぶりのブログです。
5月12日(土)にとちぎテストの会議05に参加してきました。
「とちぎテストの会議」は、西暦が偶数の年に、那須で開かれるテストエンジニアのイベントです。
タイムテーブルは、こちら!
・一般講演には、8名の方がエントリー、品質管理の観点で、さまざまな見地のあるプレゼンが行われました。
・ここでは、メインの企画セッションについて、リポートします。
①企画セッションでは、「理想の開発現場」について、講演者・聴講者が語り合いました。前半は、テーマ「企画セッション『自画自讃』外から編 理想の開発現場 ~ほんとにあのチームあるんだよ!~」と題して、理想のチームが外からいかように見えるか、語り合いました。
パネリストとして、@akiyama924さん・@t_wadaさん・@m_sekiさんが、登場。
モデレーターは、@miwa719さんが務めました。
では、簡単にパネリスト・モデレーターの紹介から
・@akiyama924さん→HAIST法、チョットデキル方
・@t_wadaさん→TDD、チョットデキル方
・@m_sekiさん→「あのチーム」メンバー、プロの無職
・@miwa719さん→「あのチーム」メンバー、スペシャル・テスター
ディスカッションは、@akiyama924さん&@t_wadaさんが「あのチーム」に対して思っていた疑問を@m_sekiさん&@miwa719さんにぶつける形で進められました。
・@akiyama924さんの疑問
本当に毎日すべてのテストを行っているのか??
↓
@m_sekiさんより
日々、テストのリファクタリングを行っている。
コトバノチカラ ~ASDoQ大会2017参加レポート~
こんにちは、たかくです。少し間が空きましたが、ブログ書きました。
11月2日に名古屋大学で開かれた『ASDoQ大会2017』に参加してきました。
では、参加レポートを!!
1.「ASDoQって??」
ASDoQは、システム開発文書品質研究会(Association of System Documentation Quality)の略称です。ソフトウェアの開発過程で作成される文書の品質を考えていく有志の集まりです。
ASDoQ大会は、年1回のフラッグシップイベントです。
2.「今年のテーマ」
今年のテーマは、「言語技術」です。つくば言語技術研究所所長の三森ゆりか氏の招待講演のメインテーマでした。
3.なぜ、言語技術?
こんなこと、ありませんか?
- 言いたいことが、うまく相手に伝わらない。
- 伝えたつもりが、違う意味・意図で伝わってしまう。
- ディベートで、言い負かされてしまう。
こういった、「旨く伝わらない!!」というお悩みを解決するための、1つの手段として、言語技術があります。
4.こんなスキルです。
例えば、
- 新聞を読む
- 読んだ情報を分析する
- 得た情報を第3者に伝える
一見、当たり前のようですが、決して易しいことではありません。
言語技術のトレーニングの一例を紹介します。
これは、ドイツの国旗です。「この旗をすべて言葉で伝えましょう!」、どうですか?意外とことばだけで伝えるって難しいですね。
日本の国語教育(学校での)では、読んだモノをどう解釈するかに重きが置かれて、表現のスキルは、扱われないことが多いです。
三森氏の講演で知ったことですが、欧米では、書く力・議論する力を小学校から積み重ねのカリキュラムでたたき込むそうです。そして、高校卒業時には、母国の文学作品について、評論するスキルをつけることを目標とするそうです。
5.これからの方向性
グローバルになる一方の社会において、日本でずっと続いていた、「以心伝心」の文化だけでは、立ちゆかなくなっているのが現状ではないかと、たかくは思います。いい仕事をするためにも、そして生きていくためにも、もう一度、国語の力を見つめ直す時期なのではないかと思います。
ASDoQ大会2017に参加して、思いました。
6.参考リンク
三森氏が主宰する「つくば言語技術研究所」Webサイトへのリンクです。
ASDoQ大会2017で、ワークショップを行った、鈴木史恵氏が主宰する「ことのは国語教室」Webサイトです。
三森ゆりか氏の著書、「子どものための論理トレーニング・プリント」の紹介です。内容は、オトナでも侮れませんよ!
こちらも三森ゆりか氏の著書、「大学生・社会人のための言語技術トレーニング」の紹介です。ホントのオトナ向けです。(^0^)
『温顧創新』--ソフトウェア品質管理--
さて、10月とは、思えない寒さが続きます。皆様、いかがお過ごしでしょうか?
ソフトウェア品質管理の大御所、奈良 隆正さん(元(株)日立製作所 NARAコンサルティング)が講師を務めるセミナー『ソフトウェアの品質管理とは?』も9月29日に最終回を迎えました。この3回のセミナーを振り返りつつ、受講レポートをまとめてみました。
1.アブストラクト
以下の内容で、奈良さんの講義は進みました。
①過去2回のセミナーの振り返り
②2000年代の品質保証活動
③奈良さんにとっての品質保証活動
2.2000年までの品質保証活動 ~振り返りをとおして~
過去2回のセミナーで取り上げた、2000年までのソフトウェア品質管理の歴史を振り返りました。
①1970年代⇒黎明期
・作りっぱなしであったソフトウェア、製造が終了してからチェックを行う品質管理体制に限界が生じる。
・ソフトウェアの品質管理が出口管理オンリーから、中間での検証が加わる時代。
②1980年代⇒ 隆盛期
・プロセス指向のソフトウェア開発の考え方に伴い、品質管理も強化される。
・QC7つ道具は、この時代に生まれる。
・このようなものから、日本のソフトウェア戦略が生まれる。
③1990年代前半⇒定着期
・グローバル化の波が訪れる。
・プロセスオンリーのソフトウェア品質管理の時代。⇒ISO9000,CMMI
・ISO9000⇒ブームとなるが、Howの記述がごっそり抜けている。認証が目的となり形骸化する。
・CMMI⇒ISO9000と異なり、プラクティスが書かれている。
④1990年代中半~後半⇒停滞期
・Windows 95の登場
・オープン化の波
・クライアント/サーバーシステムの誕生
・全体的にソフトウェアの品質は向上せず、「上手くいったら繋がる」といった風潮が生まれる。
・そんな中で、PIMBOKがトレンドとなる。しかし、PMBOKは、プロセスがきちんと動いていることが前提なので、実プロジェクト(特に上手くいっていないプロジェクト)に適用してもうまくいかなかった。
3.そして、2000年代:再生そして発展
背景
・リーマンショックを前後して、東京証券取引所、みずほ銀行などで社会的影響の大きな障害が発生し、ソフトウェア品質管理を見つめ直す機運が高まる。
実際の動き
・現場中心のアプローチ(ボトムアップ)が起きる。
・PPQA(プロセスと成果物の品質保証)が起きる。
参考
・テストが1つの技術となる。
・テスト戦略、テスト分析、テスト計画、テスト設計といったテストプロセスを事前に書く文化が生まれた。
・テスト実行前にテストプロセスをまとめる文化が生まれた。
・ソフトウェア工学がソフトウェア品質管理のベースとなり、V&Vモデル・Wモデルが生まれた。
・奈良さんが特に強調したこと
①ソフトウェア品質管理の技術も百花繚乱である
②テスト工程も開発のオマケではなく、技術・人材ともに1つの形として確立されている
③しかし、危惧しなければならないこともある。例えば、メトリクスの収集にしても担当者は、そのメトリクスがなぜ必要か、収集後どのように活用されるかをまったく意識せずに、言われるがままに作業するケースが多々見られる。
④テストにしても、単にオペレーションを繰り返すだけでは、進歩がない。
⑤PSP(Personal Software Process)は、有用であるが、2年間くらい、黙って、実践し、そこから自分自身そして、チーム、組織を変革する
⑤4GL、セキュリティ、アジャイルなど、新しい技術が喧伝されているが、ベースにあるのは、1970年代からのソフトウェア工学であることを思い返してほしい。
4.質疑応答
質疑応答では、次のような見解をベースとしたQ&Aが活発になされた。
①ソフトウェア工学の基礎は、大学で学べるが、応用は社会に出てからになる
②しかし、大学のカリキュラムにも課題が大いにある。
③企業の現場は繁忙で、業務をソフトウェア工学をベースに振り返る余裕がない。
5.温顧創新
奈良さんは、この言葉でセミナーを締めくくりました。「温顧創新」とは、奈良さんが仲間内で考えた言葉です。「故きをを顧みながら、新しい技術・プロダクトを生み出して欲しい」という奈良さんから我々へのメッセージです。
アジャイル & ウォーターフォール
今日、セミナー「2017/10/18(水) [西新宿開催] 大きなSIerの中で「アジャイル開発で飯を食う」までの歩み」に参加しました。
詳細は、以下にあげるリンクを参照してもらいたいのですが、感想を書きたいと思います。
アジャイルな開発はトレンドかもしれませんが、ウォーターフォールを否定することは決してよいことでは、ありません。
理想を言えば、WBSが定義されている、ウォーターフォール開発を経験し、そのプロセスを踏まえて、アジャイル開発に向かうべきです。
なぜならば、アジャイルに取り組むためには、単にコードが組める、テストができるというだけでは、いけないのです。
製造・テストだけでなく、顧客に対して提案を行うビジネスセンスも必須です。
アジャイルには、ソフトウェア開発の全てのスキル・インフラのスキル・提案力が必要なのです。
森實さんのプレゼンの中で、「PMは、プロジェクトマネージャーからプロダクトマネージャーに」という言葉、インパクトありました。
これからのソフトウェア開発は、先人の歩いたプロダクトを学びながら、新しいものを生み出す「温顧創新」なのです。
では、参考リンクを!!
※今回のセミナーは、9/22のDevLove関西の再演です。一部、9/22の資料も加えました。
参加者のTweetまとめです。
講演の第1部)NRIの森實さんのプレゼンです。これは、9/22のDevLove関西での資料です。
森實さんのプレゼン資料:10/18バージョンです。
講演の第2部 NRI)森さんのプレゼン資料です。これは、9/22のDevLove関西での資料ですが、内容は同じです。